鄭重（読み）テイジュウ

デジタル大辞泉

てい‐じゅう〔‐ヂユウ〕【^×鄭重】

手厚く遇すること。丁重ていちょう。
「―ヲイタス」〈日葡〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

てい‐ちょう【鄭重・丁重】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「てい」「ちょう」は、それぞれ「鄭」「重」の漢音。「鄭」は重んじるの意。古く「ていぢょう」とも )
2. ① 態度や扱い方などが礼儀正しく、手厚いこと。また、大切に扱うこと。丁寧なこと。あるいは、注意深いこと。また、そのさま。ていじゅう。
   1. [初出の実例]「鄭重 テイヂョウ」(出典：文明本節用集（室町中）)
   2. 「頗る鄭重(テイチャウ)に足を運びて、自得の礼式にて両手をつき」(出典：内地雑居未来之夢（1886）〈坪内逍遙〉一〇)
   3. 「イヤなかなか御丁重(ごテイチャウ)な御馳走で…」(出典：新世帯（1908）〈徳田秋声〉七)
3. ② ⇒ていじゅう（鄭重）②

鄭重の補助注記

古くから使われている語で「ていぢゅう」とも読まれ、「ていちょう」の読みは中世頃から見えるが、意味用法の違いについては不詳。現代では一般に「ていちょう」の読みで①の意で用いられる。

てい‐じゅう‥ヂュウ【鄭重】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① ＝ていちょう（鄭重）①〔色葉字類抄（1177‐81）〕
   1. [初出の実例]「令_レ致_二鄭重之沙汰_一給」(出典：吾妻鏡‐文治五年（1189）六月六日)
   2. 「Teigiuuo(テイヂュウヲ) イタス〈訳〉慇懃な態度を示す」(出典：日葡辞書（1603‐04）)
3. ② しきりに繰り返すこと。何回も重なること。また、そのさま。
   1. [初出の実例]「家園之花浅深、耳難_レ抛_二鶯声之鄭重_一」(出典：本朝文粋（1060頃）一〇・閑庭花自落詩序〈大江以言〉)
   2. [その他の文献]〔漢書‐王莽伝中〕

出典　精選版 日本国語大辞典