酒造制限令(読み)しゅぞうせいげんれい

百科事典マイペディアの解説

酒造制限令【しゅぞうせいげんれい】

江戸時代,幕府が米価を調整する必要から,大口需要者である酒造業に対して加えた制限令。1642年寛永飢饉の対策の一環として,まず幕府領の農村に,次いで全国の在方町方に発令されたのが始めとされ,以後幕末までに約60回発せられた。1657年には酒造株の制度が実施され,各酒屋には酒造株高(造石高)を記載した酒造株札が交付された。酒造制限令はこの高を基準に,3分の1,2分の1などと醸造する高の削減を命じるもので,制限の必要がなくなると解除され勝手造りとされた。寛文期(1661年−1673年)・元禄期(1688年−1704年),および全国的な飢饉に見舞われた天明期(1781年−1789年)・天保期(1830年−1844年)に集中的に発令された。なお諸藩においても,領内を対象に酒造に制限が加えられることもあった。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅぞうせいげんれい【酒造制限令】

江戸時代,幕府が米の需要と米価調整の立場から,酒造に対して行った取締令。幕藩領主は,農民より貢租として徴収した米を換金して領主経済を支える財源としたので,米の需給と米価の動きにきわめて強い関心をもっていた。そのため,米価調節の必要からとられたのが酒造制限令である。実施に際しては,酒屋に酒造株札を交付し,そこに表示されている酒造株高(造石高)を基準に,その2分の1造りとか,3分の2造りといった減醸令を布達した。

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