日本大百科全書(ニッポニカ) 「重原藩」の意味・わかりやすい解説
重原藩
しげはらはん
1869年(明治2)より三河国碧海(へきかい)郡重原(愛知県刈谷(かりや)市)に置かれた譜代(ふだい)藩。藩主は板倉勝達(かつさと)。碧海、設楽(したら)、加茂(かも)、幡豆(はず)4郡において2万8000石を領有した。1790年(寛政2)以降、碧海郡内には1万3000石の福島藩領があり、同藩の飛地(とびち)が重原にあって、その支配のために陣屋が設けられていた。幕末戊辰(ぼしん)戦争に際して、福島藩(3万石)は奥羽越列藩同盟に加わったために2000石を減封され、福島城付地没収の処分を受けた。そのため、重原の陣屋に拠を移し、重原藩として成立した。1871年(明治4)廃藩となり、重原県、額田(ぬかた)県を経て翌72年に愛知県となる。
[渡辺和敏]