日本大百科全書(ニッポニカ) 「額田」の意味・わかりやすい解説
額田
ぬかた
愛知県中南部、額田郡にあった旧町名(額田町(ちょう))。現在は岡崎(おかざき)市の東部を占める地区。全域が三河山地で、スギ、ヒノキの美林が多い。旧額田町は1956年(昭和31)豊富(とよとみ)、宮崎、形埜(かたの)、下山(しもやま)(一部)の4村が合併して町制施行。2006年(平成18)岡崎市に編入。国道473号が南北に、北東端を301号が走る。二つの水系のうち男(おと)川流域は片麻(へんま)岩系で桜井寺地区に珪石(けいせき)鉱業が、北部の乙(おと)川流域は花崗(かこう)岩系で、形埜・下山地区は花崗岩採掘、石灯籠(どうろう)加工などが盛んである。農産物では宮崎茶、千万町(ぜまんじょう)のコンニャク、林産物では磨(みがき)丸太、間伐材活用品、シイタケなどがある。額田工業団地の造成により、製造業の発展もみられる。観光拠点に闇刈(くらがり)渓谷、本宮山(ほんぐうさん)がある。天恩寺(てんおんじ)(片寄山下)の山門・仏殿は国指定重要文化財。
[伊藤郷平]