金井正(読み)カナイ タダシ

20世紀日本人名事典 「金井正」の解説

金井 正
カナイ タダシ

明治〜昭和期の実業家,社会事業家,政治家 神川村長。



生年
明治19(1886)年12月5日

没年
昭和30(1955)年8月10日

出生地
長野県小県郡神川村(現・上田市)

学歴〔年〕
上田中学卒

経歴
卒業後、家業養蚕業を継ぐ。その傍ら、「平民新聞」の読書会などに参加し、軍拡の反対と普通選挙の実現を訴えた。大正5年洋行帰りの洋画家山本鼎が提唱した農民芸術運動に共感を示し、8年には生地長野県神川村の神川小学校で児童自由画展覧会を開催。10年評論家土田杏村や猪坂直一・山越修蔵といった友人とともに信濃自由大学を設立し、地方における自由大学運動の先駆となった。12年には長野県に日本農民芸術研究所を開設、倉田白羊・山崎省三ら中央の画家を招聘し、農民芸術運動の鼓吹に努めた。のち地方政界で活躍し、神川村助役を経て昭和12年同村長に就任。ギリシャ哲学に明るく、時報「神川」などでも論文を発表している。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金井正」の解説

金井正 かない-ただし

1886-1955 明治-昭和時代の実業家。
明治19年12月5日生まれ。上田中学卒業後,長野県神川(かんがわ)村(上田市)で家業の蚕種製造業をつぐ。「平民新聞」読書会に参加し,軍拡反対,普通選挙実施を主張。大正5年山本鼎(かなえ)と児童自由画運動,農民美術運動をすすめ,10年信濃(しなの)自由大学創設にくわわる。昭和12年神川村長。昭和30年8月10日死去。68歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android