金沢箔(読み)かなざわはく

事典 日本の地域ブランド・名産品 「金沢箔」の解説

金沢箔[工芸用具・工芸材料]
かなざわはく

北陸甲信越地方、石川県の地域ブランド。
金沢市で生産される金・銀・銅・アルミニウム、それらの合金でできた箔。江戸幕府は箔座を設けて全国の箔の生産や販売を統制していたため、江戸時代後期まで金沢では金・銀箔の隠し打ちがおこなわれていた。金沢の風土と歴史によって育まれた高い製箔技術から生まれた金沢箔は、明治維新後、大きな発展を遂げた。特徴は、金の輝きを失わせることなく極薄の厚さにまで均一に広げる職人技。美術工芸品やインテリア分野など多方面で使われており、金沢は金箔の国内生産のほとんどを占める。1977(昭和52)年6月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸材料に指定。2007(平成19)年2月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5024671号。地域団体商標の権利者は、石川県箔商工業協同組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「金沢箔」の解説

金沢箔

石川県金沢市、富山県富山市などで生産される金箔。加賀藩初代藩主・前田利家の文禄年間の書状記述が見られることから、さらに以前から製造が始まっていたと考えられている。元禄年間に江戸幕府が江戸と京都以外での箔の生産を禁止した後も、藩の庇護のもと密かに製造され続けた。藩政崩壊後は品質の良さで市場を席捲し、全国生産の99パーセントを占める。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android