金蔵主(読み)こんぞうす

朝日日本歴史人物事典 「金蔵主」の解説

金蔵主

没年嘉吉3.9.26(1443.10.19)
生年:生年不詳
室町前期の南朝皇族の後裔。同中期の官人で学者,中原康富の日記『康富記』によれば,後亀山天皇皇子と伝えられているが確実な史料は伝わっていない。兄に通蔵主なる人物がいた。金蔵主は万寿寺の僧となっていたが,嘉吉3(1443)年9月に起きた禁闕の変で,兄弟ともに日野有光らにおしいただかれ,土御門内裏に乱入し神器剣璽を奪い比叡山に立てこもったが,まもなく金蔵主は有光らと共に殺害され,兄の通蔵主は四国に流罪に処せられている。しかし,この兄弟がどのような系統を持つ皇胤であるかは定かではない。<参考文献>『増補南北朝史論』(村田正志著作集第1巻)

(小森正明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金蔵主」の解説

金蔵主 こんぞうす

?-1443 室町時代の僧。
亀山天皇の皇子とも,世明王(説成(かねなり)親王の子)の王子ともいわれる。京都万寿寺の僧となる。嘉吉(かきつ)3年南朝系の尊秀王の京都侵入に応じて,日野有光らにかつがれ兄通蔵主とともに京都御所をおそう(禁闕(きんけつ)の変)。神剣・神璽(しんじ)をうばい,比叡(ひえい)山にのがれるが,同年9月26日管領(かんれい)畠山持国らに討たれた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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