真盛(読み)シンゼイ

デジタル大辞泉 「真盛」の意味・読み・例文・類語

しんぜい【真盛】

[1443~1495]室町中期の天台宗真盛派開祖伊勢の人。比叡山研学源信の「往生要集」に傾倒し、全国各地に念仏道場を開いた。著「奏進法語」など。円戒国師慈摂大師

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精選版 日本国語大辞典 「真盛」の意味・読み・例文・類語

しんぜい【真盛】

  1. 室町時代の天台宗の僧。真盛派の祖。勅諡は円戒国師・慈摂(じしょう)大師。伊勢国(三重県)の人。比叡山で二〇余年修行し、伝灯法師の位に進んだが、文明一五年(一四八三黒谷青龍寺に隠棲、念仏に専念、のち源信ゆかりの坂本西教寺を復興して説戒と念仏との道場とし、以後各地に教化した。著書に「奏進法語」など。嘉吉三~明応四年(一四四三‐九五

ま‐さかり【真盛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) もっともさかりであること。また、そのさま。まっさかり。
    1. [初出の実例]「顧眄之間、此れをば美屡摩沙可利爾と云ふ」(出典:日本書紀(720)神代上)
    2. 「今真盛(マサカリ)の躑躅紅を凝らし」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉梓神子)

まっ‐さかり【真盛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) もっとも盛りであること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「是年は孔子二十六歳問礼於老聃まっさかりの時分なり」(出典:史記抄(1477)一〇)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真盛」の意味・わかりやすい解説

真盛
しんぜい
(1443―1495)

室町時代の僧。天台真盛宗の祖。伊勢(いせ)国(三重県)の人。14歳で出家してから台密を学び、1461年(寛正2)19歳で比叡山(ひえいざん)に登り、とどまること20余年、ことごとく学び尽くす。1483年(文明15)には黒谷青竜寺に入り、日課として念仏六万遍を勤める。1485年には伝教(でんぎょう)大師最澄(さいちょう)から源信の『往生要集(おうじょうようしゅう)』を授かる夢をみ、これに傾倒。翌1486年源信とゆかりのある西教寺(さいきょうじ)に入り、戒と念仏の一致を称揚し、ここに天台宗真盛派の基礎を開き、西教寺の復興に力を尽くした。また各地に戒と念仏の一致を説き広め、1495年(明応4)伊賀(三重県)西蓮寺(さいれんじ)の念仏法会(ほうえ)の途中に寂した。1506年(永正3)円戒国師の号を賜る。

[平井宥慶 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「真盛」の意味・わかりやすい解説

真盛 (しんぜい)
生没年:1443-95(嘉吉3-明応4)

室町時代の天台宗の僧。天台真盛派(現在は天台真盛宗)の祖。〈しんせい〉ともいう。伊勢国一志郡に生まれ,7歳で同郡川口の光明寺に入り,14歳で得度,尾張国に出て台密を学び,1461年(寛正2)比叡山に上った。20年間山を下らず,伝灯法師の位に進んだが,83年(文明15)黒谷青竜寺に隠棲,2年後に浄土院の伝教大師廟に参籠し,夢中に最澄より源信の《往生要集》を示され,念仏に専念するようになった。86年源信ゆかりの近江坂本西教寺を再興,のち近江,伊賀,伊勢,越前,加賀など各地に教化,説戒念仏の道場を多数開き,伊賀国西蓮寺に没。称名念仏と戒法を重んじ,〈戒称一致〉を説いた。皇室や武家に帰依者が多く,生前に後土御門天皇から上人号を賜り,1506年(永正3)円戒国師,1883年(明治16)慈摂大師の諡号(しごう)を贈られた。著作は《奏進法語》《念仏三昧法語》など。
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百科事典マイペディア 「真盛」の意味・わかりやすい解説

真盛【しんぜい】

室町中期の僧。天台宗真盛派(現天台真盛宗)の祖。伊勢(いせ)の人。比叡(ひえい)山西塔(さいとう)の慶秀に師事。《往生要集》に傾倒し,源信の旧跡西教(さいきょう)寺を復興し,また広く北陸・伊勢を教化した。諡(おくりな)は慈摂(じしょう)大師など。著書《奏進法語》《念仏三昧(ざんまい)法語》など。
→関連項目西教寺西塔

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真盛」の意味・わかりやすい解説

真盛
しんせい

[生]嘉吉3(1443).伊勢
[没]明応4(1495).伊賀,西蓮寺
室町時代の僧。天台真盛宗の開祖。7歳で出家,のち比叡山西塔の慶秀のもとで 20年あまり修行。天台の奥義をきわめ,伝灯法師位に進んだ。その後黒谷の青竜寺に隠棲し,浄業を修した。文明 18 (1486) 年近江坂本の生源寺で『往生要集』を講義し,源信の旧跡,西教寺を再興して説戒念仏の道場とし大衆を教化した。また後土御門天皇に円頓戒を授け,足利義政らを指導した。諡号は円戒国師,慈摂大師。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「真盛」の解説

真盛 しんせい

1443-1495 室町-戦国時代の僧。
嘉吉(かきつ)3年1月28日生まれ。天台宗。比叡(ひえい)山で慶秀に天台教学をまなぶ。京都黒谷の青竜寺に隠棲し,源信の「往生要集」に傾倒。文明18年(1486)源信ゆかりの近江(おうみ)(滋賀県)西教寺を再興し,戒律と念仏一致の根本道場とした。明応4年2月30日死去。53歳。伊勢(いせ)(三重県)出身。俗姓は小泉。諡号(しごう)は円戒国師,慈摂大師。著作に「奏進法語」など。

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旺文社日本史事典 三訂版 「真盛」の解説

真盛
しんせい

1443〜95
室町中期の天台宗の僧。真盛派の開祖
紀貫之 (きのつらゆき) の子孫という。伊勢(三重県)の人。厭世思想に富み,『往生要集』に深く教えられて,円頓戒(天台の思想)と称名(念仏)の一致を説いた。また近江に西教寺を建立した。

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367日誕生日大事典 「真盛」の解説

真盛 (しんせい)

生年月日:1443年1月28日
室町時代;戦国時代の天台宗の僧
1495年没

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世界大百科事典(旧版)内の真盛の言及

【西教寺】より

…滋賀県大津市にある天台真盛宗の総本山。山号は戒光山。…

※「真盛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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