出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
… 貴族の住いである寝殿造は,所有者の地位や財力によって建築の規模も棟数も大きく違ってくるが,共通して見られる特徴を要約すれば次のようになる。(a)主人の居所である寝殿,家族の居所である対屋(たいのや)や庭園観賞のための釣殿(つりどの),泉殿(いずみどの),内向の施設である蔵人所(くろうどどころ),侍所(さむらいどころ),随身所(ずいじんどころ),車宿(くるまやどり),台盤所(だいはんどころ)など,独立した建築群から成り立っている。(b)それぞれの建物は廊または渡殿(わたどの)でつながれる。…
…まず敷地は方一町(約120m四方)で,主屋である寝殿を中心に,東および西,場合によっては北,北西,北東などに副屋である対(たい)(対屋(たいのや))を置き,これを廊(渡殿(わたどの))で結ぶ。東西対からは南に細長い中門廊が延び,その南端には釣殿を建てる。敷地の周囲は築地(ついじ)で囲み,東西北には門を開く。…
…その前方には二,三の島が築かれ,島へは南庭から反り橋を,さらに島から対岸に平橋を架けていた。中門廊の南端は池に臨み,釣殿(つりどの)がつくられた。ここは納涼,月見の宴に用いられたり,舟遊びの際には発着の役目を果たした。…
※「釣殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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