錫山跡(読み)すずやまあと

日本歴史地名大系 「錫山跡」の解説

錫山跡
すずやまあと

[現在地名]鹿児島市下福元町

下福元しもふくもと町西部の標高四〇〇メートル弱の山間にある鉱山跡。鹿児島藩における三山の一。明暦元年(一六五五)島津氏の家臣八木元信が鹿追原魑魅かのうばるすだま(現錫山元山峠)で錫鉱を発見、子宗信とともに自力美濃尾張などから山師を集めて開発したのに始まるという。延宝年間(一六七三―八一)には大いに栄え、運上銀三〇〇貫を上納するに至ったという(「谷山市誌」など)。元禄一四年(一七〇一)鹿児島藩主島津氏は幕府から正式に採掘許可を得、御物山として直営化した。鉱山奉行の管理下、周囲三里余が錫山山中とされ、入口に口屋(関所)を設けて取締った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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