長根寺
ちようこんじ
[現在地名]宮古市千徳
長根山の中腹にある。真言宗智山派で玉王山と号する。本尊は不動尊。江戸時代には金剛寺(現陸前高田市)末で、永福寺(現盛岡市)の支配下にあった(「邦内郷村志」など)。伝承によれば坂上田村麻呂が黒森に観音(現黒森神社)、長根に阿弥陀仏、小山田に薬師(現小山田神社)を祀り、これを三所一体の霊場としたといい、天文七年(一五三八)朝胤が再開基となったと伝える。境内に尾玉明神があり牛玉を祀る。疱瘡除けとして尊ばれ、「雑書」元禄三年(一六九〇)一一月一九日条に「隼人様疱瘡除ニ長根寺ニ為持江戸江被遣、御快癒被遊候迄御留置、長根寺貧僧之由及聞召、当分為御褒美金拾両被下」とあり、「邦内郷村志」に牛玉は前田を掻く時に牛の尾に付いて上ったもので、盛岡藩八代藩主南部利視がこれを取上げ錦の袋に入れ「ビイドロノヅシ」に入れ、「黒漆鶴金御紋之厨子」に入れたという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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