長船派(読み)おさふねは

精選版 日本国語大辞典 「長船派」の意味・読み・例文・類語

おさふね‐はをさふね‥【長船派】

  1. 〘 名詞 〙 刀工流派の一つ。備前国長船(岡山県瀬戸内市)に住み、鎌倉中期から天正一五七三‐九二年間にかけて活躍光忠を祖とし、長光景光兼光などが有名。光忠は宝治建治一二四七‐七八)頃の人と伝えられ、作風は福岡一文字派に近くすこぶる華麗。→長船物(おさふねもの)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長船派」の意味・わかりやすい解説

長船派
おさふねは

鎌倉時代中期~室町時代末期,備前国長船に住んだ刀工の流派。初代は鎌倉時代中期の光忠。現岡山県のこの地方には平安時代から刀工が住み,長船派以前に古備前派,一文字派などの流派があった。鎌倉時代中期以降長船派が最大の流派となったのは,刀の姿と刃文の美しさによるもので,光忠以下,長光,景光,真長,兼光,祐定と各時代の名工を生んだ。作刀を長船物という。

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世界大百科事典(旧版)内の長船派の言及

【備前物】より

…吉岡,岩戸には福岡一文字と同じく〈一〉をきる者がいるため吉岡一文字,岩戸一文字と呼ばれており,吉岡一文字では助光が,岩戸一文字では吉家,吉氏が代表工である。長船の地には鎌倉中期に光忠を祖とする長船派が起こり,この一派は室町時代まで,日本最大の流派として大きく栄えた(長船物)。この光忠の子に長光,その子に景光がおり,いずれも名工として名高く,その一門には真光,秀景,真長,長元,近景,景政らがいる。…

※「長船派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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