開山開基(読み)かいさんかいき

改訂新版 世界大百科事典 「開山開基」の意味・わかりやすい解説

開山・開基 (かいさんかいき)

仏寺創建すること,またその仏寺を創建した僧をいう。転じて宗派開祖のことをもいい,これは宗派の開設が一般寺院の創建をともなったことによる。古くは閑静な地を選び,山谷を切り開いて堂宇を創建したので,開山と称した。鎌倉時代以後,寺号の上に山号を付すのはこのことによる。また寺基を開くことから開基と称した。多くの場合開山と開基は同義語的に用いられるが,禅宗や浄土宗では寺院の創建に尽力した資主(檀越(だんおつ))を開基と呼び,その開創の僧を開山と呼んで区別している。浄土真宗では宗祖親鸞のみを開山と呼び,末寺の開創者をすべて開基と呼んでいる。開山入寂の忌日法会を〈開山忌〉と称し,その仏寺の開山の像や位牌を安置する堂宇を〈開山堂〉と称する。宗派の開祖が開山と称されることがあり,たとえば曹洞宗では道元を開山禅師,浄土真宗では親鸞を開山聖人(しようにん)と呼んでいる。
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百科事典マイペディア 「開山開基」の意味・わかりやすい解説

開山・開基【かいさん・かいき】

仏寺を創建すること,また創建した僧をいう。宗派を開いた僧(宗祖・祖師)をもいう。古くは山谷を開いて堂宇を創建する場合が多かったので開山,寺基を開くの意味から開基と称した。ただし禅宗などでは,開創の僧を開山,その際の檀越(資主)を開基と呼んだ。浄土真宗では,宗祖親鸞(しんらん)を開山,その末寺を始めた僧をすべて開基という。

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