開発援助委員会(読み)カイハツエンジョイインカイ(その他表記)Development Assistance Committee

デジタル大辞泉 「開発援助委員会」の意味・読み・例文・類語

かいはつえんじょ‐いいんかい〔カイハツヱンジヨヰヰンクワイ〕【開発援助委員会】

ダック(DAC)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「開発援助委員会」の意味・わかりやすい解説

開発援助委員会
かいはつえんじょいいんかい
Development Assistance Committee

経済協力開発機構OECD)の内部委員会の一つ。略称DAC(ダック)。先進国が開発途上国に対して行う経済協力を促進させるために必要な協議や意見の交換、援助量と内容に関する定期的検討および援助政策の調整などを行う機関である。前身は1960年に設立された開発援助グループDevelopment Assistance GroupDAG)で、1961年のヨーロッパ経済協力機構OEEC)からOECDへの改組に伴い、DAGは発展的に解消してDACとなり、OECDの下部機構となった。メンバーは、38のOECD加盟国中、31か国とヨーロッパ連合(EU)の計32(2023年7月末時点)で、日本はDAG設立時から参加している。DACには、一般に2~3年ごとに開催される閣僚級のハイレベル会合、ハイレベル会合の開催のない年に開催される局長・次長級のシニアレベル会合、および毎年定期的に開催される定例会合がある。また、補助機関として、開発ファイナンス統計作業部会(WP-STAT)、ジェンダー平等ネットワーク(GENDERNET)、ガバナンスネットワーク(GOVNET)、開発評価ネットワーク(EVALNET)、環境と開発協力ネットワーク(ENVIRONET)、および紛争と脆弱(ぜいじゃく)に関する国際ネットワーク(INCAF)がある。

[黒神直純 2023年10月18日]

『外務省経済協力局監訳『開発援助25年の歩み――OECD開発援助委員会(DAC)1985年議長報告』(1986・国際協力推進協会)』『『DAC新開発戦略援助研究会報告書』(1998・国際協力事業団)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「開発援助委員会」の意味・わかりやすい解説

開発援助委員会
かいはつえんじょいいんかい
Development Assistance Committee; DAC

経済協力開発機構 OECDの下部機関。経済政策委員会および貿易委員会と並ぶ OECDの三大委員会の一つで,経済協力を実施する際の問題点を検討調整する国際機関。1960年にアメリカ合衆国の提唱で発足した開発援助グループが前身で,1961年ヨーロッパ経済協力機構 OEECの OECDへの改組に伴い現名称に改められた。おもな活動は,(1) 加盟国の対発展途上国援助に関する情報交換,統計の整備,(2) 加盟国別の援助政策,援助実績に関する年次審査,(3) 援助政策上の諸問題の検討,勧告など。2016年4月時点での構成国はアイスランドアイルランド,アメリカ,イギリス,イタリア,オーストラリア,オーストリアオランダ,カナダ,ギリシアスイススウェーデン,スペイン,スロバキアスロベニア,大韓民国,チェコ,デンマーク,ドイツ,日本,ニュージーランド,ノルウェー,フィンランド,フランス,ベルギー,ポーランド,ポルトガル,ルクセンブルクの計 28ヵ国とヨーロッパ連合 EU。

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百科事典マイペディア 「開発援助委員会」の意味・わかりやすい解説

開発援助委員会【かいはつえんじょいいんかい】

Development Assistance Committeeの頭文字を取ってDAC(ダック)とも。1961年発足。OECD内で経済委員会,貿易委員会とともに三大委員会の一つを成す。西側諸国からの援助の共同体制固めを目的に,発展途上国に対する援助や経済協力に関する情報交換及び政策調整を行う。メンバーは日,米,英,仏,独,伊,加,豪,スイス,オーストリア,フィンランド,ノルウェー,スウェーデン,オランダ,ルクセンブルク,デンマーク,ベルギー,ニュージーランド,アイルランド,スペイン,ポルトガルの21ヵ国とEUである。
→関連項目ODA

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知恵蔵 「開発援助委員会」の解説

開発援助委員会

発展途上国への援助問題を討議するため、主要先進工業国によって組織された国際会議。1960年1月に欧州経済協力機構(OEEC : Organization for European Economic Cooperation)の下に開発援助グループ(DAG : Development Assistance Group)として設置され、61年9月の経済協力開発機構(OECD)条約の発効によりDACに改組された。2007年8月末現在の加盟国は、日本を含む22カ国の先進工業国と欧州委員会。本部はパリに設置され、加盟国による閣僚級会議が毎年開催されている。DACの主な目的は、発展途上国に対する二国間援助の効果的な方法の検討と勧告、援助実績に関する相互報告などにおかれ、1962年度以降、年次報告書が作成されている。

(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)

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改訂新版 世界大百科事典 「開発援助委員会」の意味・わかりやすい解説

開発援助委員会 (かいはつえんじょいいんかい)

DAC(ダック)

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世界大百科事典(旧版)内の開発援助委員会の言及

【DAC】より

…開発援助委員会Development Assistance Committeeの略称。OECD(経済協力開発機構)の下部機関として,先進国の発展途上国に対する援助政策の調整機能を果たしている。…

※「開発援助委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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