間知石(読み)ケンチイシ

デジタル大辞泉 「間知石」の意味・読み・例文・類語

けんち‐いし【間知石】

大小二つのつらをもった四角錐状の石材石垣などに、広いほうの面を外側に連ねて用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「間知石」の意味・わかりやすい解説

間知石
けんちいし

石積みに用いられる日本独特の四角錐(すい)形の石材。形状によって分類した石材の呼称の一つで、ほかに側面の切り方の違う割石(わりいし)、直方体状の角石(かくいし)や板石(いたいし)、塊状の割栗石(わりぐりいし)がある。石積みの表になる大きい面を面(つら)、逆側の小さい面を胴じり、側面を控えといい、花崗(かこう)岩や安山岩などの硬岩がおもに使われる。間知石を用いた石積みを間知石積みといい、石間の間隙(かんげき)に供飼(ともがい)という石片を入れて固定しながら積み上げる。城の石垣に代表されるように、日本では古くから用いられ、現在も石垣や擁壁(ようへき)に使われている。

鈴木 有]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「間知石」の意味・わかりやすい解説

間知石【けんちいし】

石積みに使用される四角錐形の石材。底面が表に出るように積み,石垣,護岸,擁壁(ようへき)などに日本では古くから用いられている。
→関連項目石材

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の間知石の言及

【石材】より

… 土木建築の基礎工事に用いる割りぐり石や,道路舗装やコンクリートの骨材にする砕石などを専門にする採石場は,現在では日本のいたるところに開かれている。ブロックを主とする採石場でも,屑石は間知石(けんちいし)という石垣用の石材に割るとか割りぐり石を作るのに利用され,このような土木用石材が,日本でも外国でも量でいえば石材生産の大半を占めている。 建材用,墓石用のブロックは工場に運ばれ加工される。…

【擁壁】より

…石積擁壁は石を積み上げてつくるもので,一般の土木工事,道路,河川,鉄道などで法面の高さが低い場合に盛んに使用される。この工法は日本では古くから利用され,もっともふつうに用いられる截頭(せつとう)四角錐状で大小二つの面(つら)をもった石を間知石(けんちいし)と称し,城の石垣はこれの代表的構築物である。最近は天然の石材のほかにコンクリートで間知石のような形のブロックをつくり,石積擁壁の代りとするコンクリートブロック擁壁が盛んに使用されている。…

※「間知石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android