阿弥陀ヶ峰(読み)アミダガミネ

デジタル大辞泉 「阿弥陀ヶ峰」の意味・読み・例文・類語

あみだ‐が‐みね【阿弥陀ヶ峰】

京都市東部、東山三十六峰の一。もと山腹山麓阿弥陀堂があった。山頂豊臣秀吉の墓がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「阿弥陀ヶ峰」の解説

阿弥陀ヶ峰
あみだがみね

東山三十六峰の一。「京童跡追」(寛文七年刊)に「鳥部山 爰を阿弥陀峰といひ、又裾を鳥部野といふ也」とする。古くは鳥辺とりべ山ともいった。標高約一九六メートル。また山名をとって、字名にも用いる。

その名はかつて山腹と山麓に阿弥陀堂があったことによるといい、阿弥陀堂は天平五年(七三三)僧行基が建立し、本尊に丈六の阿弥陀仏坐像を安置したものというが、行基を鳥辺野とりべの葬地の創始者とする説とともに伝承の域を出ない。また「雍州府志」(貞享三年刊)は、かつて平重盛が山下に四十八精舎を建て、毎夜、四十八灯を点じて大念仏を修したので阿弥陀ヶ峰と称したという異説を載せるが、阿弥陀ヶ峰の名称は、すでに「枕草子」に「峰は、(中略)阿弥陀の峰」とみえ、権大納言藤原公任の歌にも、

<資料は省略されています>

とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の阿弥陀ヶ峰の言及

【鳥辺野】より

…化野(あだしの)の露,鳥部山の烟といわれるように,早く平安時代初期から京都近郊に存在した葬送地の一つとして有名であった。はじめは鳥部(辺)山の麓を鳥辺野と称したが,この山は阿弥陀ヶ峰をいうらしく,かつての鳥辺野は現在の地から阿弥陀ヶ峰にかけての広い地域を称した。ここでの葬送の例は多くあり,藤原道長もここで荼毘(だび)に付されている。…

※「阿弥陀ヶ峰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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