阿部亀治(読み)アベ カメジ

20世紀日本人名事典 「阿部亀治」の解説

阿部 亀治
アベ カメジ

明治・大正期の篤農家 冷害に強い水稲品種「亀の尾」の生みの親



生年
慶応4年3月9日(1868年)

没年
昭和3(1928)年1月2日

出生地
出羽田川郡大和村(現・山形県余目町)

学歴〔年〕
小学校中退

主な受賞名〔年〕
農事功労賞〔大正10年〕,藍綬褒章〔昭和2年〕

経歴
出羽国に地元の大地主・本間家の小作人の長男として生まれる。12歳から家業に従事、少ない土地で米の収量をあげるため乾田馬耕、耕地整理、水稲品種改良などの研究に尽力。25歳の時、隣村の熊谷神社を参拝した際に冷害にやられた稲の中で起立して穂を付けていた稲に着目、譲り受けて栽培と種子選別を重ね、明治30年冷害に強い水稲品種“亀の尾”を作り上げた。同品種は全国で作付けされ、コシヒカリササニシキ、あきたこまちなどの良質米のルーツとなったことで知られる。昭和に入ってからは新品種の登場により飯米としては姿を消したが、酒米として再び注目された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「阿部亀治」の解説

阿部亀治 あべ-かめじ

1868-1928 明治-大正時代の品種改良家。
慶応4年3月9日生まれ。冷害につよい水稲品種の「亀の尾」を育成。山形県をはじめ全国で作付けされ,「陸羽132号」「農林1号」などの母体となった。昭和3年1月2日死去。61歳。出羽(でわ)田川郡(山形県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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