陋規(読み)ろうき(その他表記)lou gui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陋規」の意味・わかりやすい解説

陋規
ろうき
lou gui

中国において官員や胥吏 (しょり) らの間で行われていた非公式な収入。広義には,公務にたずさわる者が職務を行うのに関して,法律で定められた給与以外に獲得する一切の収入をさす。清代でいえば,官員は俸給が概して少額であったから,種々の名目人民から手数科を取り,これが陋規と称されて,特に地方官の主要な収入源となり,致富の手段ともなった。狭義には,人民の納める租税に課する付加税の全部あるいは一部をさす。清代の官庁の胥吏はほとんど俸給を支給されなかったので,彼らは人民から徴収した付加税をみずからの生活費や,上級の胥吏への贈与などにあて,大きな弊害をなした。そのほかに,胥役 (胥吏と,雑役夫である衙役〈がえき〉) は訴訟事件など事あるごとに,関係の人民に手数科を強要して着服し,これらもみな陋規といわれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 項目

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android