陳鴻寿(読み)ちんこうじゅ(その他表記)Chén Hóng shòu

改訂新版 世界大百科事典 「陳鴻寿」の意味・わかりやすい解説

陳鴻寿 (ちんこうじゅ)
Chén Hóng shòu
生没年:1768-1822

中国,清代の文人画家。字は子恭曼生と号した。浙江省銭塘(杭州市)の出身。1801年(嘉慶6)に貢生に薦挙され,官は淮安(わいあん)同知に至った。詩文書画,みな一家をなしたが,磨崖碑の書体をとくに好んで隷書,八分書に優れた。篆刻(てんこく)では浙中の人ことごとく宗としたと伝えられ,また宜興特産の砂で精巧な壺を作り,〈曼生壺〉と称せられた。山水画では明の姚綬(ようじゆ),程嘉燧(ていかすい)の間にありといわれる草々とした画風を得意とし,銭杜,改琦らとも親交があった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陳鴻寿」の意味・わかりやすい解説

陳鴻寿
ちんこうじゅ
Cheng Hongshou

[生]乾隆33 (1768)
[没]道光2 (1822)
中国,の文人,書家篆刻家。銭塘(浙江省)の人。字は子恭,号は曼生,曼公など。嘉慶6(1801)年の貢生(薦挙された学者)で,官は海防同知にいたった。詩文,書画,篆刻にそれぞれ逸脱の風趣を出して一家をなした。特に書においてはその瀟洒な作風が賞されている。篆刻では西泠八家(せいれいはっか)の一人で,印譜に『種楡仙館印譜(しゅゆせんかんいんぷ)』がある。作陶にも長じ,銘文を刻した曼生壺が珍重された。(→中国美術

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