陶保(読み)すえほ

日本歴史地名大系 「陶保」の解説

陶保
すえほ

大字陶を遺称地とし、同地を含む一帯に比定される。建長八年(一二五六)三月日の讃岐国司庁宣(八坂神社文書)によれば羽床はゆか郷内に成立した京都祇園社領萱原かやはら神田の東と北は陶保に隣接していた。これ以前の史料はないが、国衙権力が衰退して、当地の須恵器・瓦生産が減退する平安時代の末頃、当初は須恵器の貢進を目的として便補された保と考えられる。嘉元四年(一三〇六)昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)によれば、陶保は後宇多上皇から昭慶門院に譲られ、知行者は季氏(後宇多院の北面の藤原季氏か)であった。

元亨二年(一三二二)後五月二六日の後宇多法皇院宣案(醍醐寺文書)、建武四年(一三三七)一二月日の報恩院所司等解(同文書)などによれば、当保は延慶年間(一三〇八―一一)後宇多法皇から醍醐寺報恩院領として寄進され、元亨二年には追認の院宣が下されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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