改訂新版 世界大百科事典 「陽明門院」の意味・わかりやすい解説
陽明門院 (ようめいもんいん)
生没年:1013-94(長和2-嘉保1)
後朱雀天皇の皇后。禎子内親王。父は三条天皇,母は藤原道長の女中宮姸子。生後4ヵ月で内親王宣下を被り,ついで1015年(長和4)12月准三宮,23年(治安3)無品より一品を直叙され,27年(万寿4)皇太子敦良親王(後朱雀天皇)の宮に入御し,37年(長暦1)1月皇太子が践祚するや,2月中宮に,3月皇后に冊立された。しかし45年(寛徳2)天皇が没すると,同年7月落飾し,妙法覚と号した。51年(永承6)2月皇太后に,68年(治暦4)4月太皇太后に転上し,翌年2月陽明門院の院号を宣下された。なお女院の子で父後朱雀天皇の寵愛を被った尊仁親王(後三条天皇)が践祚し,摂関家と外戚関係のない天皇が出現し,これが摂関家衰退の一因となったのはよく知られている。
執筆者:米田 雄介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報