普及版 字通 「雍」の読み・字形・画数・意味
雍
13画
[字訓] やわらぐ・よろこぶ・いだく
[字形] 会意
金文の璧(へきよう)を経籍に璧雍・辟雍に作り、は雍の初文、雍はの省略形と考えられる。雍は〔説文〕未収。は川・邑・隹(とり)の会意。金文には川+(宮室の象)+隹の会意の形に作る。水が池・沢となるところに、渡り鳥が時節を定めてくることを、祖霊が鳥形霊となって飛来するものと考え、そこに(宮)を作って祀った。水が璧のように四方をめぐり、その中島に祀所を建てたものを璧という。ゆえに雍容・雍和の意がある。雍は應(応)と声義近く、應は所に祈り、隹(鳥)卜いなどをして、神の反応があり、応諾を得ることをいう。鷹は鳥占(とりうら)に用い、いわゆる「うけひ狩り」をしたものであろう。
[訓義]
1. やわらぐ、よろこぶ、たのしむ。
2. 擁と通じ、いだく、まもる、たすく。
3. 壅(よう)と通じ、ふさぐ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕雍 ヤハラグ 〔字鏡集〕雍 ヤハラカ・シタガフ・タスク・サハル・フサガル・ホシイママ・ヤハラカナリ・トドコホル
[声系]
〔説文〕に雍声として・甕・擁の三字(正字はいずれもに従う)を収める。雍はと声義近く、に膺(むね)の意があり、厚くふくらみ、ゆたかなさまをいう。
[語系]
雍・擁・壅・・・廱iongは同声、もと壅閉の意がある字。渡り鳥の飛来する池沼を聖地として、そこに神殿を営み、璧といった。霊沼・霊囿(れいゆう)を設けることが多い。jiongは聖地に(かき)をつくることをいう語であろう。
[熟語]
雍閼▶・雍遏▶・雍害▶・雍閑▶・雍熙▶・雍爨▶・雍粛▶・雍人▶・雍塞▶・雍台▶・雍▶・雍防▶・雍睦▶・雍穆▶・雍游▶・雍融▶・雍予▶・雍容▶・雍雍▶・雍和▶
[下接語]
熙雍・粛雍・辟雍
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報