雨の宮風の宮(読み)あめのみやかぜのみや

精選版 日本国語大辞典 「雨の宮風の宮」の意味・読み・例文・類語

あめ【雨】 の 宮(みや)(かぜ)の宮(みや)

伊勢神宮百二十末社の中の雨の神、風の神をまつった宮。雨の宮風の神。
※虎明本狂言・禰宜山伏(室町末‐近世初)「中にもあら神と見えさせ給ふ、雨の宮風の宮」
② (伊勢神宮は末社が数多く賽銭(さいせん)や案内銭などが多くかかることから) あれやこれやと出費がかさむことのたとえ。
※茶屋諸分調方記(1693)四「きもいりがもとにいたる間のはんまい代。一りんも軽めなしに引おとし、あめの宮風の宮のと云ふておやの取銀わずかならではなし」
③ 転じて、とりまき連中。末社(まっしゃ)。雨の宮風の神。
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一一「雨(アメ)の宮(ミヤ)風のみやどもを大ぜいこしにひっつけて仲の町での大さわぎ」
④ 雨や風。
浮世草子諸道聴耳世間猿(1766)一「雨(アメ)の宮(ミヤ)風の宮に崩れし窓に、科戸の風を防ぎかねて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「雨の宮風の宮」の意味・読み・例文・類語

あめみやかぜみや

《「雨の宮」「風の宮」は伊勢神宮の末社。伊勢参り案内人が多くの末社にやたらに賽銭さいせんを出させるところから》出費の多いこと。また、出費がかさむ原因となる取り巻き連中のこと。
「―どもを大勢腰にひっつけて」〈滑・続膝栗毛・一一〉

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