日本歴史地名大系 「雲巌寺・霊巌洞」の解説 雲巌寺・霊巌洞うんがんじ・れいがんどう 熊本県:熊本市岩戸村雲巌寺・霊巌洞[現在地名]熊本市松尾町平山金峰(きんぼう)山の西斜面に続く凝灰岩の台地、河内(かわち)川の浸食による景勝地に雲巌寺があり、奥院の霊巌洞には本尊の石体四面の観音菩薩を祀る。宝華山または巌殿山と号し、曹洞宗、通称岩戸(いわと)観音。謡曲「檜垣」の舞台で、観音に参籠する僧の所に檜垣嫗の幽霊が現れ、生涯を物語り、地獄から僧の力で成仏するという筋である。開山は正平六年(一三五一)元より来朝した東陵永。永は石体四面の観音像渡来の伝説や、歌人檜垣が日参した霊巌洞の話を聞き、洞のそばに寺院の創建を欲した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報