雲画像(読み)くもがぞう(その他表記)cloud image

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雲画像」の意味・わかりやすい解説

雲画像
くもがぞう
cloud image

気象衛星観測した雲の情報を画像化したもの。雲の観測は人間が目視で地上から観測しているが,気象衛星の登場で雲を約 3万5800km上空からも観測できるようになった。この場合,地上と上空からの雲の見え方には違いがあるため,気象衛星観測による雲の判別化が必要となった。この雲判別に使われる気象衛星観測による画像には,大きく分けて地球反射された太陽光を写す可視画像,雲から放出される人の目に見えない赤外線をとらえる赤外画像水蒸気画像がある。(1) 可視画像 雲や地表面によって反射された太陽光をとらえる画像。発達した雲には厚みがあり太陽光を強く反射するため白く写る。夜は太陽光の反射がないため写らない。(2) 赤外画像 雲から放射される赤外線をとらえた画像。赤外線の強さは雲の温度により変化する。高い高度にあり温度の低い雲はより白く表現されるが,低い雲や霧は赤外画像ではほとんど写らない。(3) 水蒸気画像 赤外画像の一種で,大気中の水蒸気と雲からの赤外放射(6.8μm帯)を観測する画像。水蒸気画像は,大気中の水蒸気によく吸収されるため,雲がない対流圏上・中層にあるわずかの水蒸気からの放射をとらえることができ,対流圏上・中層の水蒸気が多いところを白く,少ないところを黒く写るように処理された画像で,水蒸気の流れを介して上空の大気の流れを見ることができる。

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