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対流圏 たいりゅうけんtroposphere

翻訳|troposphere

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

対流圏
たいりゅうけん
troposphere

大気圏の最下層をなす部分で,地表から対流圏界面までの大気層。高さは極地方では約 10km以下,赤道地方では約 18km以下である。地面が日射で暖められることにより地表面付近の大気が暖められ,上層の大気は赤外放射によって冷やされるため,気温減率が増大する。この結果上下対流が発生し,常に空気の上下混合が起こることから対流圏呼ばれる。このような対流平衡(断熱平衡)にある大気では,気温は 100m上昇するごとに 0.6~0.7℃の割合で下降する。地球大気はその下層に水蒸気を多く含むため,この対流に伴って雲の発生や降雨,降雪が盛んに起こり,気象の変化はほとんどこの圏内で起こるといってよい。

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デジタル大辞泉の解説

たいりゅう‐けん〔タイリウ‐〕【対流圏】

大気圏の区分の一。地表から極地方では高さ約8キロ、赤道地方では約17キロまでの大気の層。日射により対流を生じ、雲・雨などの天気現象はこの圏内で起こる。上面を圏界面といい、その上は成層圏になる。

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百科事典マイペディアの解説

対流圏【たいりゅうけん】

(1)大気成層のうちいちばん低い層。極地方で高度約8km,赤道地方で約18km以下。地面は日射で暖められ,上部では放射による冷却があるため,対流が起こる。雲の発生や降雨,降雪はこの圏内だけにみられる。
→関連項目オゾン層保護条約気温減率成層圏

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世界大百科事典 第2版の解説

たいりゅうけん【対流圏 troposphere】

大気圏の最下層にあって,対流混合の活発な成層。大気の重量の7~8割は対流圏内にある。地球表面に接し,海洋や大陸から水蒸気が補給される。大気圏の水蒸気はほとんど対流圏内にあり,雲,降水,雷雨,にじなど主な気象現象はこの層の中で発生する。対流圏下部の大気は地面や海面から熱を輸送されて暖められるが,対流圏上部は放射によって熱を失うので,冷やされ,鉛直気温減率は大きくなる。そのままでは大気成層は鉛直的に不安定になるので,対流が起こり上下の混合が盛んになる。

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大辞林 第三版の解説

たいりゅうけん【対流圏】

地表から14、5キロメートル 内外の大気の範囲。上層は成層圏に連なる。日射・放射冷却によって対流が起こり、雲の生成や降雨など通常の気象現象が見られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

対流圏
たいりゅうけん
troposphere

地球を取り巻く大気のうち、地表面から始まり高度10~17キロメートルの範囲をいう。対流圏の上端を対流圏界面、または単に圏界面とよぶが、その上端の高度は高緯度地域で低く10キロメートル前後、熱帯地域では高く17キロメートルに達する。中緯度の大気をモデル化した標準大気では11キロメートルである。
 対流圏では、気温は高さとともに減少し、その割合は、標準大気では1キロメートル当り6.5℃とされている。このような状態は、水蒸気の凝結を伴う空気の鉛直運動に対して不安定であり、したがって盛んに対流がおこる。ほとんど温度一定の成層圏が発見されたのちに、それに対して対流圏と名づけられた。晴れた日に見られる積雲や、夏に多く見られる積乱雲(入道雲)は対流の現れである。熱帯域にはつねに積乱雲の集団が散在し、そのなかで著しいものは熱帯低気圧となる。
 対流圏では、南北の温度差に起因する大規模な大気擾乱(じょうらん)である温帯低気圧も発生する。これらの擾乱に伴って雲が生じ、雨や雪のような降水現象もおこる。すなわち天気の変化がみられる。成層圏以上の大気中には、このような天気現象はない。これらの運動(擾乱)によって、対流圏内の空気は上下・南北によく攪拌(かくはん)されており、ある場所に存在した物質は約30日で対流圏全体に行き渡る。[松野太郎]

海洋

表層水、中央水と赤道水の上部を含む部分をいい、暖水圏にあたる。対流圏の中では海面を通じて大気との熱などのエネルギー交換が盛んで、対流や強い海流もあることから、水温・塩分の場所による差が大きい。中緯度海域では季節による温度・塩分などの変化も著しい。[半澤正男]

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世界大百科事典内の対流圏の言及

【大気】より

…また,高度60km以上では空気分子は電離しているので電離圏ともいい,それ以下を中性圏ともいう。(1)対流圏troposphere 温度が高度1kmにつき5~6℃下がる層で,高さは地上から十数kmに達する。太陽からの熱は大気層に吸収されることなく地球に達して地表面をあたためる。…

【大気】より

…一般には温度構造に着目した区分と大気の組成比に着目した区分とが用いられる(図3)。前者は気温の逓減率によって区分したもので,下から対流圏,成層圏,中間圏,熱圏に分けられる。後者では大気の組成比が高度約80kmまで変わらず,大気を構成する分子がよく混合しているので,均質圏homosphereと呼ぶ。…

【大気大循環】より

… 大気は気温の鉛直分布の特徴からいくつかの層に分けることができる。地表から約10kmまでは,気温が上層へいくほど低くなっており,この層を対流圏という。対流圏では対流活動が活発で,空気の上下の混合が盛んである。…

※「対流圏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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