日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気ジューサー」の意味・わかりやすい解説
電気ジューサー
でんきじゅーさー
果物や野菜のジュースを絞る調理器具。円盤状のおろし金(がね)ようのカッター(おろし刃)と周面に多数の細孔を有する円錐(えんすい)状のフィルターとをもつ遠心分離籠(かご)を、本体(スタンド)に内蔵したモーターに連結して、ジュース分離ケース内で回転させる。投入口から食品を入れ、押込み棒(ピストン)でおろし刃に押し付けてすりおろし、切削物を遠心力で放射状に放出してフィルター面に当て、それがフィルターの周面を滑る間に細孔によりジュースと絞りかすとに分離する。遠心分離籠は、モーターの回転軸の上部に取り付けた継手と結合させ、継手によってモーターの回転の伝達を受ける。遠心分離籠と継手とは着脱できる。
最近のジューサーでは、フィルターの清掃やかす処理が簡単に行えるように改良されている。果物や野菜の繊維がフィルターの細孔に入ってしまうと、スポンジで洗ったくらいではとれない。最近では、フィルターの回転中に、繊維を取り除けるフィルター清掃ブラシ付きのものがある。また、従来のジューサーでは、絞りかすがジュース分離ケースや蓋(ふた)の裏側に張り付いて、手でかき集め掃除するのがめんどうであったが、最近のものは簡単になり、絞りかすを一か所に自動的に集めるものが主流となっている。ジューサーはミキサーと違い、水を加えて回転させる必要がないので、濃厚なジュースが得られる。
[赤羽一郎]