(読み)バイ

デジタル大辞泉 「霾」の意味・読み・例文・類語

ばい【×霾】

中国北部で吹き上げられた黄土が、季節風に吹き流されて浮遊し、空を黄褐色に覆いつつ徐々に落下する現象。春、日本まで飛来することがある。黄砂 春》

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精選版 日本国語大辞典 「霾」の意味・読み・例文・類語

ばい【霾】

  1. 〘 名詞 〙 中国北部に分布する黄土(こうど)が風に吹き上げられて浮遊し徐々に落下する現象。黄砂。《 季語・春 》 〔字鏡集(1245)〕 〔詩経‐邶風・終風

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普及版 字通 「霾」の読み・字形・画数・意味


22画

[字音] バイ・マイ
[字訓] つちふる・つちぐもり

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 形声
声符は貍(り)。貍は埋と通じる字。〔説文〕十一下に「風ふきて土を雨(ふ)らすなり」とみえ、〔詩、風、終風〕「(すで)に風ふきて且つ霾(つちふ)る」の句を引く。〔古今注〕に、漢の昭帝の元鳳三年、「天、土を雨(ふ)らし、晝夜昏霾(こんばい)す」とあり、その霾翳(ばいえい)は五日・十日より一月・一季にも及ぶことがあったという。卜文に霾の字がみえ、そのことを災異として卜することがあった。

[訓義]
1. つちふる、つちぐもり、
2. くもる、くらい。
3. 埋と通じ、うずめる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕霾 土を雨ふらすなり。豆知(つち) 〔名義抄〕霾 ウヅム・ツチフル

[熟語]
霾翳・霾・霾霾風霾霧
[下接語]
陰霾・雲霾・黄霾・宿霾・晴霾・風霾・氛霾・幽霾・妖霾

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