物体に外から力を加えると、それに反発する応力が発生するが、流体の場合、加えられた力の向きに反対方向に応力が働く。これを圧力とよび、流体の運動状態にかかわりなく、また考える流体の面の選び方によらず一定値をとる。これを静圧とよび、ベルヌーイの定理
p+(1/2)ρv2=一定
に出てくる圧力pのことである。静圧に対し動圧は(1/2)ρv2の項であり、この二つの圧力を足し合わせたものが総圧である。静圧を測るには、静圧管とよばれる器具が用いられる。これは、流れを乱さないような滑らかな管を流れに平行に置き、管の側壁に小さな穴をあけ、空気を通して連通管の一方の管へその圧力が伝わるようにくふうされている。総圧は、管中の流れを止めた点(よどみ点)での圧力だから、よどみ圧ともよばれている。総圧と静圧を同時に測れるようくふうされているのがピトー静圧管である。
[池内 了]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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