靱猿(読み)うつぼざる

世界大百科事典 第2版の解説

うつぼざる【靱猿】

(1)狂言の曲名。大名狂言。大名が太郎冠者をつれて狩りに出かける途中,猿引が連れている毛並みのよい猿を見て,靱の皮にしたいから猿を譲れという。猿引が断ると,大名は弓矢で脅し,むりに承知させる。猿引が猿を殺そうと杖をふりあげると,無邪気な猿はその杖を取って舟の櫓を漕ぐまねをするので,あわれを催し手がくだせない。大名も無心な猿の姿に心打たれ,命を助ける。猿引は喜んで猿歌をうたい猿に舞わせる。大名も上機嫌で猿にたわむれて舞うまねをし,扇や刀,衣服をほうびに与える。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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