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韓国官公庁の記者室統廃合 かんこくかんこうちょうのきしゃしつとうはいごう

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知恵蔵2015の解説

韓国官公庁の記者室統廃合

韓国の国政広報庁は2007年5月22日、「取材支援システム先進化策」と銘打った新たな中央省庁取材要領を発表した。これまで省庁ごとに37の記者室があったが、大統領府国防省など一部を除いて原則廃止し、ソウルの政府中央庁舎と、経済省庁が集まる近郊の果川(クァチョン)庁舎、中部の大田(テジョン)庁舎の3カ所に記者会見などを行う「合同ブリーフィングセンター」を新設し、そこに統合するとした。庁舎への記者の出入り事前申告制や公務員との接触規制をさらに強め、インターネットで質疑を交わす「電子ブリーフィング制」の導入なども盛り込んだ。従来の韓国の取材システムのモデルとなった日本の記者クラブ制度を「後進的」とし、「閉鎖的な取材慣行の正常化」や「情報開放の拡大による政府・メディア間の透明性向上」などをうたっている。同年1月に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が閣議で「数人の記者が記者室で記事の流れを思い通り主導したり談合したりしている」と、メディア不信をあらわにしたことが背景にある。メディア側は「言論弾圧だ」などと強く反発し、憲法裁判所に提訴するなどもした。8月には「合同センター」と小規模の記事送稿室の工事を終え、政府は既存の記者室からの退去を求め、10月に記者室の閉鎖などが始まった。メディア側は「合同センター」利用の会見を拒否したり、庁舎の廊下や近くの喫茶店で記事を作成したりするなどの抵抗を続け、警察庁では電源を切られたためロウソクの明かりで執筆する姿も見られた。インターネットの威力で当選したともいわれる盧大統領とメディア、ことに「朝中東(チョジュンドン)」と称される朝鮮日報中央日報東亜日報の大手3紙とは、大統領就任前から険悪な関係が続いていた。政府側は03年に「一部の記者が情報を独占し閉鎖的だ」として記者クラブ制の廃止も宣言し、ネットメディアに門戸を広げる「開放型ブリーフィング制」を取り入れた。05年7月施行の新聞法(新聞等の自由と機能保障に関する法律)は「既成メディアによる言論独占の解消」を狙ってシェア規制と課徴金を導入し、「朝中東狙い撃ち」との批判を呼んだ。08年2月発足の李明博(イ・ミョンバク)新政権がこの記者室統廃合と新聞法の見直しをするのは必至である。

(小菅幸一 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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