頭隠して尻隠さず(読み)アタマカクシテシリカクサズ

デジタル大辞泉 「頭隠して尻隠さず」の意味・読み・例文・類語

あたまかくしてしりかくさず

悪事・欠点の一部を隠して全部を隠したつもりでいる愚かさをあざける言葉

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精選版 日本国語大辞典 「頭隠して尻隠さず」の意味・読み・例文・類語

あたま【頭】 隠(かく)して尻(しり)(かく)さず

  1. ( キジが、草の中に首を隠して、尾の現われているのを知らないのに比していう ) 悪事などの、一部分を隠して、全部を隠したつもりでいるのをあざけっていう。〔諺苑(1797)〕
    1. [初出の実例]「床がけよりははすがけの、あたまかくして尻(シリ)かくさぬ、客の油断に」(出典洒落本野良玉子(1801)一)

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ことわざを知る辞典 「頭隠して尻隠さず」の解説

頭隠して尻隠さず

悪事やいたずらなどをして、当人証拠を隠したつもりでいるが、肝心なところで抜かりがあり、すぐに露見するさまをたとえていう。

[使用例] ああこの人間どもは、あんな「逆柱」を一本建てればもうそれでいいと思ってるのか、なんて単純なやつだろう、頭隠して尻隠さずってところだけれど、それさえ分かんないのだろうか……[庄司薫*狼なんかこわくない|1971]

[解説] 「きじ草隠れ」という古諺があり、「頭隠して」の場合も、明示されていませんが、元来は、雉が敵から逃れようとして草むらの中に隠れたときに、長い尾の一部が草からはみ出しても気づかないことに見立てたものです。江戸いろはかるたに採録され、絵札には、ふんどし一丁の男が幔幕から尻を出した図が描かれていました。

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