風間浦(読み)かざまうら

改訂新版 世界大百科事典 「風間浦」の意味・わかりやすい解説

風間浦[村] (かざまうら)

青森県北部,下北郡の村。人口2463(2010)。下北半島北西部に位置し,津軽海峡に臨む。目滝山,篠原岳などの山地が海岸まで迫り,耕地はごくわずかで,集落は海岸沿いにのみ分布する。山林が95%以上を占め,偏東風(やませ)が強いため農業は振るわない。漁業基幹産業であるが,沿岸漁業の不振,とりわけイカ漁の不漁時には出稼ぎが多く,主として関東,北海道へ出ている。1979年からアワビ養殖が始められ,育てる漁業に力を入れている。下風呂温泉(塩化土類硫化水素泉,50~95℃)は本州最北の温泉で,夏の夜はイカ釣り船の漁火が美しく,また井上靖の小説《海峡》の舞台としても知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「風間浦」の意味・わかりやすい解説

風間浦(村)
かざまうら

青森県北部、下北郡(しもきたぐん)、下北半島北西部の津軽(つがる)海峡に臨む村。村名は、1889年(明治22)の村制施行の際、下風呂(しもふろ)、易国間(いこくま)、蛇浦(へびうら)の3村から1字ずつとってつけられた。国道279号が通じる。漁業が主で、コンブ、アワビ、ワカメなどの養殖業を行う。海岸一帯は磯(いそ)釣り場として知られ、下風呂温泉は海に臨む湯治場的温泉である。面積69.55平方キロメートル、人口1636(2020)。

横山 弘]


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