漁火(読み)いさりび

精選版 日本国語大辞典 「漁火」の意味・読み・例文・類語

いさり‐び【漁火】

〘名〙 (古くは「いざりひ」「いざりび」) 夜、魚を漁船の方へ誘い集めるために燃やすたいまつ、かがり火の類。今日では集魚灯など電気照明に変わっている。ぎょか。
万葉(8C後)一二・三一六九「能登の海に釣する海人(あま)の射去火(いざりひ)の光にいませ月待ちがてり」

ぎょ‐か ‥クヮ【漁火】

〘名〙 夜、漁夫が魚をひきよせるために、舟の上でたく火。いさりび。
※凌雲集(814)白山崎乗江赴讚岐在難波江口述懐贈野二郎〈林娑婆〉「漁火通霄烈、商帆払曙逢」 〔張継楓橋夜泊詩〕

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デジタル大辞泉 「漁火」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐か〔‐クワ〕【漁火】

夜間、魚を集めるために漁船でたくかがり火。いさりび。

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普及版 字通 「漁火」の読み・字形・画数・意味

【漁火】ぎよか(くわ)

いさり火。唐・張継〔楓橋夜泊〕詩 ち烏いて、霜天に滿つ 江楓漁火は、愁眠に對す 姑外、山寺 夜聲、客に到る

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事典・日本の観光資源 「漁火」の解説

漁火

(青森県)
あおもり魅力百選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の漁火の言及

【篝火】より

…儀式の庭上,陣中にも用いられた。【江馬 務】
[漁火]
 漁火としての篝火は〈いさりび〉ともいう。このほか漁師の間では〈夜焚き(よたき)〉〈火振り〉〈焚入れ〉などという言葉が,篝火をたく漁の意として用いられてきた。…

【篝火】より

…儀式の庭上,陣中にも用いられた。【江馬 務】
[漁火]
 漁火としての篝火は〈いさりび〉ともいう。このほか漁師の間では〈夜焚き(よたき)〉〈火振り〉〈焚入れ〉などという言葉が,篝火をたく漁の意として用いられてきた。…

※「漁火」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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