食む(読み)ハム

精選版 日本国語大辞典 「食む」の意味・読み・例文・類語

は・む【食】

  1. 〘 他動詞 マ行四段活用 〙
  2. 食物などを口に入れてかむ。かんで飲みこむ。くう。たべる。
    1. [初出の実例]「瓜波米(ハメ)ば 子ども思ほゆ 栗波米(ハメ)ば まして偲(しぬ)はゆ」(出典:万葉集(8C後)五・八〇二)
    2. 「牛は何ヘクタールかのきまったところの、牧草をはむでしょう」(出典:抱擁家族(1965)〈小島信夫〉二)
  3. 物を口にくわえる。
    1. [初出の実例]「手拭をはませ、笈の中へ入れる」(出典:歌舞伎・彩入御伽草(1808)蛍ケ沼の場)
  4. 魚などが水面に浮かび出て呼吸する。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
  5. 害する。そこなう。むしばむ。
    1. [初出の実例]「貪欲は必ず身をはむといへり」(出典:延慶本平家(1309‐10)二本)
  6. 俸祿などを受けて、生活する。
    1. [初出の実例]「今又平家の祿をはむ」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1696)三)

食むの補助注記

「伊勢物語‐一四」に「夜も明けばきつにはめなでくだかけのまだきに鳴きてせなをやりつる」の例があるが、この中の「きつ」を「狐」の意とする説があり、その説に従うと下に続く「はめ」は「はむ(食)」の意となり、他動詞下二段活用となる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

1 《「礼記」月令から》カワウソが自分のとった魚を並べること。人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところからいう。獺祭魚。おそまつり。うそまつり。2 《晩唐の詩人李商隠が、文章を作るのに多数の書物を座...

獺祭の用語解説を読む