食料自給率(読み)ショクリョウジキュウリツ

デジタル大辞泉 「食料自給率」の意味・読み・例文・類語

しょくりょうじきゅう‐りつ〔シヨクレウジキフ‐〕【食料自給率】

国内で消費される食料うち、国内の生産で供給される食料の割合。品目別自給率(米・麦などの品目別に自給率を重量から算出)・総合食料自給率(自給率をカロリーまたは金額から算出)などの種類がある。→地産地消フードマイレージ

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知恵蔵 「食料自給率」の解説

食料自給率

国内の食料消費が国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標。食料全体について見る総合食料自給率には、カロリーベースと生産額ベースの2通りの算出方法がある。2010年度は、1人1日当たりの総供給熱量2458キロカロリーに対して国産供給熱量は946キロカロリー、国内消費仕向け額14兆1333億円に対して国内生産額は9兆7047億円で、食料自給率はカロリーベースで39%、生産額ベースで69%だった。この他、品目ごとに重量ベースで算出する品目別自給率があり、いずれも農林水産省が公表している。
最もよく使われるカロリーベースの自給率は、1965年には73%だったが、その後徐々に低下し、近年は40%前後で推移している。これは先進国の中で最低の水準とされ、食料安全保障観点から問題視されている。低下の要因には、食生活の洋風化が進み肉や油脂の消費が増えたことや、その一方で農業生産が弱体化し変化に対応できなかったことなどが挙げられる。特に、畜産物の生産では、飼料の多くを海外に依存しているが、輸入飼料による生産分は国産に算入しないため、自給率を押し下げている。また、国内生産が比較的盛んである野菜はカロリーが低く、カロリーが高い油脂類は国産比率が極めて低いことも、カロリーベースの自給率の低さにつながっている。
国は2000年と05年の食料・農業・農村基本計画で食料自給率目標を示したが、自給率は改善していない。10年の基本計画では、新興国の消費拡大やバイオ燃料向け需要などにより食料の輸入依存のリスクが高まっていることを重視し、20年度にカロリーベースで50%、生産額ベースで70%に引き上げるという高い目標を設定。小麦や大豆米粉、飼料米などの生産拡大、国産農産物の利用推進、食べ残しの削減などを進め、自給率向上を目指す。

(原田英美  ライター / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

栄養・生化学辞典 「食料自給率」の解説

食料自給率

 食料の国内消費量に占める国内生産量の比率.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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