飯久保城跡(読み)いくぼじようあと

日本歴史地名大系 「飯久保城跡」の解説

飯久保城跡
いくぼじようあと

[現在地名]氷見市飯久保

氷見から仏生寺ぶつしようじ川をさかのぼった中流右岸の山上(標高七〇メートル、比高六〇メートル)に築かれた城。麓にある飯久保の集落じようしたと称し、鍛冶屋町かじやまちの地名も残ることから、中世には城下集落として存在したことが知られる。付近には舟着場もあったとみられ、仏生寺川を利用した水運の便が考えられる。越中古城記(加越能文庫)などによると、城主は狩野中務と伝えられるが、「三州志」には「相伝ふ、狩野中務築き、小浦石見守一守拠れり」とあり、池田いけだ城主小浦一守が一時この城に拠ったとの伝承をあげている。狩野氏の出自などについて詳細は不明だが、おそらくは加賀本拠とした室町幕府奉公衆の狩野氏の系譜を引く者であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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