餓鬼道(読み)ガキドウ

デジタル大辞泉 「餓鬼道」の意味・読み・例文・類語

がき‐どう〔‐ダウ〕【餓鬼道】

六道の一。餓鬼世界。常に飢えと渇きに苦しむ亡者の世界。
大海に浮かぶといへども、潮なれば飲むこともなし。是れ又―の苦とこそおぼえ候ひしか」〈平家灌頂

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精選版 日本国語大辞典 「餓鬼道」の意味・読み・例文・類語

がき‐どう‥ダウ【餓鬼道】

  1. 〘 名詞 〙 仏語五道、または六道の一つ。餓鬼の世界、またはその状態。餓鬼界。餓鬼。
    1. [初出の実例]「第二明餓鬼道者、住処有二」(出典往生要集(984‐985)大文一)
    2. 「地獄に堕ぬと見れば餓鬼道に堕ぬ」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    3. [その他の文献]〔大智度論‐六〇〕

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世界大百科事典(旧版)内の餓鬼道の言及

【餓鬼】より

…天,人,修羅(しゆら),畜生(ちくしよう),餓鬼,地獄を六道とも六(悪)趣とも言い,行いの善悪によって六道の中で生死を繰り返すのが輪廻(りんね)である。この人生において物質上の,とくに食物についての欲望の強い人,むさぼりの心のつよい人は死後,餓鬼道に落ちるのである。このことから他人をいやしめて餓鬼と呼んだり,生きながら餓鬼道に落ちると言ったり,また,子どもは普通,食欲が旺盛であるので,子どもを餓鬼と呼んだりする。…

【六道】より

…業によって趣き住む所なのでこれを六趣(ろくしゆ)ともいうが,六道は悪趣ともいって苦の世界である。すなわち天道,人(にん)(間)道,修羅道,畜生道,餓鬼道,地獄道をいい,このうちとくに畜生道,餓鬼道,地獄道を三悪趣(さんなくしゆ)(三悪道)という。天道は天人の世界で人間の世界の人道より楽多く苦の少ない世界であるが,天人にも死苦があり,死に先立って五衰をあらわす。…

※「餓鬼道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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