馬楝(読み)バレン

デジタル大辞泉 「馬楝」の意味・読み・例文・類語

ば‐れん【馬×楝/馬連】

木版刷りの用具で、版木に当てた紙の上をこすって絵の具を紙に付着させるもの。りひもなどを渦巻きにしたしんを皮で押さえ、さらに竹の皮で包み、滑りをよくしたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「馬楝」の意味・読み・例文・類語

ば‐れん【馬楝・馬藺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物ねじあやめ(捩菖蒲)」の異名。《 季語・春 》 〔和漢三才図会(1712)〕
  3. の根で作った刷毛。〔文明本節用集(室町中)〕
  4. ( 馬楝 ) 版木を刷る用具。紙を重ねて作った当皮に、竹の皮を細い縄として渦巻にして心にし、竹の皮で包み滑りをよくしたもの。版木の上にあてた紙背をこすって圧力を与え、絵の具を紙に付着させるのに用いる。「馬連」は当て字
    1. [初出の実例]「馬楝(バレン)で颯と一撫に刷り揚げるのを」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二四)
  5. 器物を磨くための道具の一つ。〔羅葡日辞書(1595)〕

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