イネの病気で、発芽後まもなく発病する。病気にかかった苗は葉が細く、色は淡黄色になり、徒長して草丈が健全なものの2倍近く伸びる。このため馬鹿苗病といわれる。徒長した病株はのちに枯死する。病原は子嚢(しのう)菌類に属するカビで、学名はギベレラ・フジクロイGibberella fujikuroiである。イネの開花期に徒長枯死した株の上に形成された病原菌の分生胞子が飛散して種子に感染し、潜伏して冬を越す。保菌種子が翌年播種(はしゅ)されると発病する。このように本病は種子伝染するので、無病の種子を選び、種子は薬剤、熱などによって消毒したものを用いることがもっとも効果的な防除法である。
種なしブドウや野菜類の成長促進に用いられるジベレリンは、この病原菌の代謝生産物で、病イネが徒長するのはジベレリンの作用による。
[梶原敏宏]
…このほか,円筒形の小分生子をつくるものもある。植物寄生菌種が多く,立枯(たちがれ)病,根腐(ねぐされ)病,つる割れ病などを起こすが,イネの主要病害の一つで,イネを徒長させる馬鹿苗(ばかなえ)病もこの属の菌による。この馬鹿苗病菌からイネの徒長をひき起こす物質が日本で分離され,ジベレリンと名づけられた。…
※「馬鹿苗病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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