駘蕩(読み)たいとう

精選版 日本国語大辞典 「駘蕩」の意味・読み・例文・類語

たい‐とう ‥タウ【駘蕩】

〘形動タリ〙
① 春の情景ののどかなさま。春のけしきののんびりしたさま。《季・春》
※水流雲在楼集(1854)下・泊小木港「誰知地角天涯感、独在煙波駘蕩春
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「駘蕩たる春光に心を馳せて」
② 大きくのびのびとしているさま。
※或日の大石内蔵助(1917)〈芥川龍之介〉「その放埒生活の中に、復讐の挙を全然忘却した駘蕩たる瞬間を、味った事であらう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「駘蕩」の意味・読み・例文・類語

たい‐とう〔‐タウ〕【××蕩】

[ト・タル][文][形動タリ]
さえぎるものなどがなく、のびのびとしているさま。
「復讐の挙を全然忘却した―たる瞬間を」〈芥川・或日の大石内蔵助〉
春の情景などが、平穏でのんびりとしているさま。「駘蕩たる春光」「春風駘蕩
[類語]伸び伸びのんびりゆったりゆっくりのほほん伸びやか

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android