伸び伸び(読み)ノビノビ

デジタル大辞泉 「伸び伸び」の意味・読み・例文・類語

のび‐のび【伸び伸び/延び延び】

[名・形動](延び延び)物事何度も先に延ばされること。また、そのさま。「雨で試合が―になる」「返事が―になる」
[副](スル)
(伸び伸び)すくすく伸びるさま。
「輝く春の日の下に青草が―と萌えていた」〈近松秋江・青草〉
(伸び伸び)押さえられることもなく、ゆったりと落ち着きのあるさま。「―(と)仕事をする」「いなかに来て―(と)した気分にひたる」
物事がてきぱきと進まないさま。ぐずぐずするさま。
「―としたる評定のみあって」〈太平記・一九〉
[類語]延期日延べ猶予遅延延びる延引延滞遅滞遷延順延先送り先延ばし引き延ばす引き延ばし繰り延べる繰り延べ繰り下げる持ち越す時を稼ぐ2のんびりゆったりゆっくりのほほん伸びやか駘蕩悠長悠然悠悠悠揚浩然どっしり気長のどか屈託無い自然体心静か穏やか温和物静かおとなしやか安らか安穏のんどり内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり温順柔順従順温柔温良順良素直控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフトおっとり婉然えんぜんしおらしい閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅鷹揚おうよう静心しずこころ従容しょうよう悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい泰然自若平静冷静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便粛粛静謐せいひつ静粛

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精選版 日本国語大辞典 「伸び伸び」の意味・読み・例文・類語

のび‐のび【伸伸・延延】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. ( 伸伸 ) 障りなく伸びるさま、成長するさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「足手あはせて、いとよくのびのびして」(出典:落窪物語(10C後)二)
    2. ( 伸伸 ) 人の気持や性格、作風などが、ゆったりとして落ち着いている感じであるさま、くつろいでいるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「高祖はのひのひとして大度にきこへたぞ」(出典:史記抄(1477)六)
      2. 「気が暢(ノ)び暢(ノ)びして魂が大空程の大きさになる」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉)
    3. ( 延延 ) 長々としてはかどらないさまを表わす語。ぐずぐず。
      1. [初出の実例]「延々(ノビノビ)としたる評定のみ有て、誠に冷(すず)しく聞えたる」(出典:太平記(14C後)一九)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. ( 伸伸 ) [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「のびのびの御心なるべしとおもひつるに」(出典:曾我物語(南北朝頃)四)
    2. ( 延延 ) [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「一番勢残すくなく討れ給て候物を、などや加様にのびのびにて御渡候ぞ」(出典:明徳記(1392‐93頃か)中)
    3. ( 延延 ) 期限時期が何度も先に延びるさま。また、延ばすさま。
      1. [初出の実例]「御当人が余まりお否(いや)がり遊ばすものだから、延々(ノビノビ)に成て居ますけれど」(出典:人情本・閑情末摘花(1839‐41)初)

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