騎虎の勢い(読み)キコノイキオイ

デジタル大辞泉 「騎虎の勢い」の意味・読み・例文・類語

騎虎きこいきお

《「隋書」独孤皇后伝から》虎に乗った者は途中で降りると虎に食われてしまうので降りられないように、やりかけた物事を、行きがかり上途中でやめることができなくなることのたとえ。

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精選版 日本国語大辞典 「騎虎の勢い」の意味・読み・例文・類語

きこ【騎虎】 の 勢(いきお)

  1. ( 「隋書‐独孤皇后紀」から ) 虎に乗った者が、途中でおりることができないように、物事の勢いがさかんになって、行きがかり上、中止したり、あとへ引けなくなったりすることのたとえにいう。
    1. [初出の実例]「世界はかたづりになりて、騎虎の勢になるゆへ、仕とげずして叶はぬなり」(出典:太平策(1719‐22))
    2. 「騎虎の勢いで三崎は窓際の高木局長の方に寄っていった」(出典:白く塗りたる墓(1970)〈高橋和巳〉九)

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故事成語を知る辞典 「騎虎の勢い」の解説

騎虎の勢い

ものごとの勢いが盛んになって、あとへ引けなくなること。

[使用例] 騎虎の勢いで三崎窓際の高木局長の方に寄っていった[高橋和巳*白く塗りたる墓|1970]

[由来] 「太平御覧」という書物に引用されている、「しんちゅうこうしょ」という文献に出て来る話から。四世紀、とうしん王朝で反乱が起こったときのこと。反乱軍の盟主として担ぎ出されたとうかんという将軍は、自分の根拠地へと引き返そうかと考えていました。すると、部下の一人が「今の情勢では、引き返すなんて許されません。『騎虎の勢い(虎にまたがって走り出したような勢い)』ですから、降りることなんてできないのです」と言って、思いとどまらせたということです。

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