一穴(読み)イッケツ

デジタル大辞泉 「一穴」の意味・読み・例文・類語

いっ‐けつ【一穴】

一つの穴。
大便用・小便用を兼ねる便器
きゅうを据えるつぼ一つ。

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精選版 日本国語大辞典 「一穴」の意味・読み・例文・類語

いっ‐けつ【一穴】

〘名〙
① 一つのあな。
史記抄(1477)一二「一穴を掘て其穴を埋は土が不足して」 〔呂氏春秋‐審分覧・不二〕
② 灸(きゅう)をすえるつぼ一つ。
※談義本・世間万病回春(1771)序「いはば一穴の気常にして尾の見へるところ也」
③ 一つで大便用と小便用とを兼ねる便器。また、それのある便所
鳥類爬虫類のように、肛門(こうもん)泌尿器、雌性生殖器との区別のないこと。また、それから転じて男色をいう隠語

ひとつ‐あな【一穴】

〘名〙
① 同じ穴。ひとつ墓穴
平家(13C前)一一「おや子ひとつ穴にぞうづみける」
② (①に入る意から) 死をともにすること。
浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「ちぎりはかいらう同穴と、一つ棺(くん)にひとつ穴」
③ (同じ穴に住む意から) いっしょになって事をたくらむこと。同類。多く、悪事をいっしょになってする場合にいう。
※雑俳・童の的(1754‐75)一「化ものと一つ穴なり頬かふり」

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