高雄型重巡洋艦(読み)たかおがたじゅうじゅんようかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高雄型重巡洋艦」の意味・わかりやすい解説

高雄型重巡洋艦
たかおがたじゅうじゅんようかん

旧日本海軍の重巡洋艦。条約型の妙高型重巡洋艦に次ぐ第2代目の4隻をいう。改装後基準排水量1万 1350t,速力 34kn,主砲 20cm砲 10,12.7cm高角砲8,61cm魚雷発射管 16,カタパルト2,水偵3機搭載。妙高型に比べて次のような点が改められた。 (1) 魚雷発射管を上甲板に置き被弾時の損害を局限。 (2) 弾火薬庫の防御強化。 (3) 舷側を5インチ (12.7cm) 装甲とした。 (4) 電気溶接の採用。 (5) 主砲の仰角を 70度とし対空射撃を可能とした。高雄型は太平洋戦争中数次の海戦に参加したが,1944年 10月のフィリピン海戦までは全艦健在であった。『高雄』は,32年5月横須賀工廠で竣工,45年シンガポール港内でイギリスの小型潜水艦により損傷,第2次世界大戦後の 46年 10月 29日,マラッカ海峡でイギリス海軍により処分。『愛宕 (あたご) 』は,32年3月呉工廠で竣工,44年 10月 23日,パラワン水道で潜水艦の雷撃により沈没。『鳥海』は,32年6月長崎三菱造船所で竣工,44年 10月 25日,レイテ湾海戦空襲により沈没。『摩耶』は,32年6月神戸川崎造船所で竣工,44年 10月 23日,パラワン水道で潜水艦の雷撃によって沈没。

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