日本歴史地名大系 「鬼林山」の解説 鬼林山きりんざん 鳥取県:日野郡日南町鬼林山日南町中央部のやや南に位置する独立峰で、標高一〇三一・二メートル。西麓から北麓を日野川が北東流し、南麓を流れる九塚(くつか)川は東麓で石見(いわみ)川に合流する。同川を挟んで東に大倉(おおくら)山(一一一二メートル)を望む。植生はコナラやクリなどの天然の広葉樹が多く、山麓を針葉樹が覆う。地質は中生代に貫入した花崗岩で、古くからの鑪跡が山麓に点在する。山名は「おにばやし」ともいわれる。この別称からか、「伯耆志」は当山について「今大林山と云ふ東村に在り」と記し、北西麓に位置する東(ひがし)村の項には「大林山 村の東の高山なり」とあり、当時は大林(おおばやし)山といわれていたことが知られる。同書によると、孝霊天皇は鬼住(きずみ)山・笹苞(ささつと)山(現溝口町)に住む鬼を退治し、のち日野川を遡上して当山と大倉山に住む牛鬼を退治して山麓に行宮を造営したという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by