鬼神のお松(読み)キジンノオマツ

デジタル大辞泉 「鬼神のお松」の意味・読み・例文・類語

きじん‐の‐おまつ【鬼神のお松】

江戸後期の女盗賊。文化・文政年間(1804~1830)に越後の笠松峠に住んだといわれる。小説戯曲講談などに描かれ、歌舞伎狂言新板越白浪しんぱんこしのしらなみ」が有名。

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精選版 日本国語大辞典 「鬼神のお松」の意味・読み・例文・類語

きじん‐の‐おまつ【鬼神のお松】

  1. 江戸後期の女盗賊。文化・文政年間(一八〇四‐三〇)笠松峠に根城を置き、夫のために悪事を働く。小説、戯曲、講談、ちょんがれ節などに取りあげられる。歌舞伎脚本に「新板越白浪」(三世桜田治助作。嘉永四年(一八五一)江戸市村座初演)などがある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「鬼神のお松」の解説

鬼神のお松
(通称)
きじんのおまつ

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
新板越白浪 など
初演
嘉永4.9(江戸・市村座)

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世界大百科事典(旧版)内の鬼神のお松の言及

【毒婦物】より

…《杜若艶色紫(かきつばたいろもえどぞめ)》(1815年5月河原崎座)の土手のお六などがその代表例。以降,3世沢村田之助によって演じられた《処女翫(むすめごのみ)浮名横櫛》(《切られお富》,1864年7月江戸守田座,河竹黙阿弥作),《於由曙評仇討(うわばみおよしうわさのあだうち)》(《お由》,1866年1月江戸中村座,3世瀬川如皐作)や,初世坂東しうかによる《新板越白浪(しんばんこしのしらなみ)》(《鬼神のお松》,1851年9月江戸市村座,3世桜田治助作)などがあり,ほかに河竹黙阿弥の作品として《処女評判善悪鏡》(《白浪五人女》),《忠臣蔵後日建前(ごにちのたてまえ)》(《女定九郎》),《善悪両面児手柏(このてがしわ)》(《妲妃のお百》)などがある。近代では4世沢村源之助が悪婆物を得意芸として演じた。…

※「鬼神のお松」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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