魔羅(読み)マラ

デジタル大辞泉 「魔羅」の意味・読み・例文・類語

まら【魔羅/摩羅】

《〈梵〉māraの音写障害破壊・殺者の意》
仏語。人の善事を妨げる悪神魔王欲界第六天の王。転じて、悟りの妨げとなる煩悩ぼんのうをいう。魔。
1から転じたとも、排泄する意の「まる」の交替形ともいう》陰茎

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精選版 日本国語大辞典 「魔羅」の意味・読み・例文・類語

まら【魔羅・摩羅】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] māra の音訳 )
  2. ま(魔)〔却癈忘記(1235)〕 〔大乗法苑義林章‐六〕
  3. ( から転じたとも、排泄する意の「まる」の交替形ともいう ) 陰茎をいう。もと僧侶が用いた語。
    1. [初出の実例]「卒爾に(マラ)に蟻著きて嚼み〈国会図書館本訓釈 万良〉」(出典日本霊異記(810‐824)中)

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普及版 字通 「魔羅」の読み・字形・画数・意味

【魔羅】まら

魔物

字通「魔」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の魔羅の言及

【悪魔】より

…仏教に由来する語で,仏道をさまたげる悪神,人にわざわいを与える魔物を指す。魔は梵語〈マーラ(魔羅)〉の略で,人を殺したり人心を悩ませる悪霊,魔物であり,江戸時代には多く天狗を指した。天狗は人に害をなす反面,獲物のとれる方向を太鼓で知らせたりするよい面をそなえている。…

※「魔羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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