卒爾(読み)ソツジ

デジタル大辞泉 「卒爾」の意味・読み・例文・類語

そつ‐じ【卒×爾/率×爾】

[名・形動]
にわかなこと。また、そのさま。だしぬけ。突然。
「驚ろかされた人のように、―な質問を掛けた」〈漱石明暗
軽率なこと。また、そのさま。かるはずみ。
「為朝―に死すべからず」〈読・弓張月・続〉
失礼な振る舞いをすること。無礼。
「何の遺恨も候はねば―いたさん様もなし」〈浄・碁盤太平記

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精選版 日本国語大辞典 「卒爾」の意味・読み・例文・類語

そつ‐じ【卒爾・率爾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 物事の起こるのが、突然であること。また、そのさま。だしぬけ。急。
    1. [初出の実例]「無出居、唯臨時卒爾事也」(出典:小右記‐寛和元年(985)二月二九日)
    2. 「お秀は驚ろかされた人のやうに卒爾(ソツジ)な質問を掛けた」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一三〇)
    3. [その他の文献]〔世説新語‐徳行・上〕
  3. ( ━する ) 判断が十分でなく軽々しい行動をすること。また、そのさま。軽率。
    1. [初出の実例]「僕不忍免命、帥爾輒談之」(出典:三教指帰(797頃)中)
    2. 「為朝卒爾(ソツジ)に死すべからず」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)続)
    3. [その他の文献]〔論語‐先進〕
  4. ( ━する ) 相手に失礼な行為をすること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「内へ案内せんもそつじがましければ、いかがはせんと」(出典:仮名草子・ぬれぼとけ(1671)上)

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普及版 字通 「卒爾」の読み・字形・画数・意味

【卒爾】そつじ

にわかに。〔遊仙窟叨(てうたう)し、片時にして則ち梁上に塵飛び、鏗鏘(かうさう)として、卒爾にして則ち天邊につ。

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