日本大百科全書(ニッポニカ) 「魚崎」の意味・わかりやすい解説
魚崎
うおざき
兵庫県南東部、神戸市東灘(ひがしなだ)区の一地区。旧魚崎町。江戸時代は五百崎(いおざき)とも記された。酒造地灘五郷(ごごう)の一つ、東郷(ひがしごう)の中心で魚崎郷ともよばれる。天保(てんぽう)年間(1830~1844)に山邑太左衛門(やまむらたざえもん)が宮水(みやみず)の効用に着目して酒造を始め、浜辺には酒蔵が軒を連ねるようになった。現在も神戸市東部の酒造業の中心である。阪神電鉄本線、神戸新交通六甲ライナー、阪神高速道路が通じる。海岸には『源平盛衰記』で知られた雀(すずめ)の松原があったが、いまは阪神電鉄魚崎駅付近にある松並木と地名におもかげを残すだけで、埋立地が広がっている。
[二木敏篤]